第41回日本理学療法学術大会 『脊椎圧迫骨折に対するクリティカルパスを作成するための退院時アウトカムの検討』

(はじめに)

当院の入院患者は、90%以上が他院からの紹介であり、その状況で在宅復帰を目的としたリハビリテーションサービスを提供するためには、地域連携パスの作成が重要である。地域連携パスを作成し理学療法の治療効果を判定するためには、まず入院および退院時アウトカムの設定を行うことが必要であり、次にケア内容のEBM的検討が必要となる。今回、脊椎圧迫骨折に対するクリティカルパスを作成する目的で、ケア内容の中でも安静度・活動性・リハビリの進行状況についてEBM的検討を試みたので報告する。

(対  象)

平成124月から平成179月現在までに、脊椎圧迫骨折により当院に入院しリハビリテーションを行った方28(男性7名、女性21名、平均年齢79.54歳)とした。

(方  法)

対象者の受傷後3日目・7日目・14日目・1ヶ月目・2ヶ月目3ヶ月目の診断の有無、コルセットの有無、疼痛の有無、リハビリ開始状況、生活環境の整備状況、退院前訪問の実施状況を本カルテとリハカルテよりチェックし、受傷前起居移動動作及びADL動作との関連を分析した。

(結果および考察)

当院での、脊椎圧迫骨折に対する早期リハビリテーションを行い自宅退院をした方は、80%を超えていた。その中で受傷前ADLを獲得した方は90%以上であった。当院では以前に、脊椎圧迫骨折に対するクリティカルパスの退院時アウトカムを設定するためには、地域連携により当院転院前の受傷後起居移動動作ex.の開始日を把握することと、退院前訪問を行い入院前の生活環境を理解することが重要であることを報告している。退院前訪問は、入院前の生活環境の把握や退院時のゴール設定を検討する重要な機会であると考える。その情報を元に、早期より立位および歩行ex.を開始し、院内でのADLレベルを低下させないことが重要であると考える。具体例としては、Ns.やケアワーカーと協力しながら、体幹装具を着用し疼痛の範囲内での院内行事の参加、およびADLを過ごせるような環境整備を行うことなどが必要と考える。そのことと並行して、PTは身体機能及び起居移動動作の改善、触診を重視しながら軟部組織の痛みに対する改善を中心にして行い、OTはADLとAPDL ex.を中心に行いながら、意欲と障害受容における働きかけと役割を持つことによるQOLの向上を中心に行うことで、受傷前ADLの獲得につながり結果として在宅復帰率を上昇させることにつながるものと考える。

(ま と め)

  • 在院日数の短縮を図るためには、疼痛・意欲・認知症に対するPT及びOTの早期からの対応が必要であると考えられた。
  • 地域連携パス作成のためには、退院前訪問の全例実施、パラメディカルでのケア内容に関する記載内容の統一と、これらに関する教育及び啓蒙が必要であることが考えられた。

 

「株式会社ゼニタ 代表取締役社長 銭田良博」 ページへ戻る