こんにちは。名古屋市中区新栄にある、銭田治療院千種駅前の鍼灸師の樋口です。

大雨、台風、真夏日、熱帯夜と自然が猛威をふるう厳しい時期ですね。

暑いのは嫌いじゃないのですが、さすがに最近は昼間に外に出なくなりました。

さて、突然ですが、私にはちょっとした「癖」があります。

もはや職業病と言われますが、道を歩く人の歩き方や姿勢をついつい観察してしまうのです。

擦り足、がに股、O脚、内股、ぶん回し歩行、偏重心、猫背、反り腰、ストレートネック、巻き肩など、いろんな歩き方や姿勢の人がいます。

このような、歩き方の特徴や姿勢の事を「歩容(ほよう)」と言います。

(※「歩様」と書く場合もありますが、医学上は「歩容」が一般的であるため、社内で話し合った結果「歩容」と記載しています。)

歩容を見ることは、私達セラピストにとっては症状の原因を探るために非常に重要なことなのです。

患者さんの動きの特徴を知っていくと、よく使う部分や無理をさせている部分、使うのを避けている部分が分かってきます。

どうしてそのような動きになるのか分析していくと痛みなどの原因が突き止められ、より早く、的確な施術ができるようになっていきます。

・あの人の靴、右の踵の外だけやたら減ってるな。荷物を右に持つことが多いんだろうな。

・ガニ股気味で踵を擦ってるな。膝も伸び切らないから太腿も背中も固いだろうな。

・内股で足首が固くて扁平足だな、たぶん外反母趾もあるな。

・片足だけつま先が外を向いているな、足首の捻挫が治りきらないまま固まったんだろうな。サッカーかな。

・歩くときに体幹にぶれがないな、擦り足気味で肩幅が広い、剣道をやっているのかな。

そんなことを観察したり考えたりしながら歩いています。

初めのうちは意識して歩容を見ていたのですが、何時の間にか反射的に観察して、治療に活かせる「癖」になりました。

この「癖」をさらに伸ばし、来院時の歩容がお帰りの際には少しでも良くなるよう、全力で治療にあたります。

ちなみに、「足元を見る」と言うことわざがありますが、

元々は、駕籠(かご)かきや馬方が、旅人の足の疲れ具合などを見て料金を決めたことから、「相手の弱点を見つけてつけ込む」と言う意味になった言葉です。

確かに脚を見ていますが、患者さんの足元を見て料金を変えるようなまねはしませんのでどうか安心してご来院ください。

(文責:樋口 大祐)