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痛みの量・種類・性質について | 銭田良博ブログ

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痛みというのは、とても主観的なものなのですが、人間であれば誰でも経験する症状です。逆に先天的に痛みを感じない無痛症の子は、2~3歳で必ず亡くなってしまうことがわかっています。つまり、痛みというのは、生きていく上でとても大切なんです。

痛みは、身体の様々な構造を守るための機能であり、これ以上痛みが続くとその構造が壊れてしまう、という危険信号です。例えば、蚊に刺された場合には最初に皮膚に発赤ができ、かゆみから始まります。発赤を掻いてしまうと、徐々に痛みに変わります。そこから時間が経過して痛みのピークが過ぎると、徐々に痛みが軽減していきます。発赤がなくなると、痛みはなくなりとても楽になります。

痛みは、痛みを起こした構造物によって痛みの量・種類・性質も違います。例えば、怪我をした範囲が広かったり、体にぶつかった時の衝撃が強かったりすると、痛みの量が多いために激痛がその部位に走ります。また、足の裏や手のひらの皮膚はとても敏感で、傷みを感じる受容器が単位面積内にいっぱい詰まっています。そのため、先が尖っているものが触れた場合は激痛と同時に反射的にその異物を避ける逃避反応が出現します。

痛みの種類も様々で、朝の痛み(morning pain)と夜の痛み(night pain)、鈍痛、ズキズキする痛み、ドクドクと拍動する痛み、引き裂かれそうな痛み、じっとしていても痛い(安静時痛)、じっとしているときは痛くないが、体を動かすと痛い(運動時痛)、筋が伸ばされた時の痛み(伸張痛)、筋が縮んだ時の痛み(短縮痛)、筋に随意的に力が入って縮んだ時の痛み(収縮痛)、などが挙げられます。

次に、痛みの性質について説明します。急性痛は一次痛(3日以内)、慢性痛は二次痛(4日以降)とも言われていますが、それぞれ痛みを感じる受容器が違います。また、創傷治癒の過程においては、炎症の4大徴候(熱感・疼痛・腫脹・発赤)が出現します。発赤は初期や完治の寸前であり痛みというよりもかゆい状態です。

痛みが長時間続くと、日常生活動作に支障をきたしてしまったりします。また、痛みはすべて悪い痛みばかりではなく、良い痛みも存在します。例えば、骨折やがん性疼痛、内臓痛は悪い痛みですが、スポーツでトレーニングをした時の筋肉痛(私は筋膜痛だと考えています)は、さらに筋肉が強くなるために必要な良い痛みです。

このように、痛みはとても複雑なものです。何らかの原因により痛みが出現した場合は、自己判断で済ませるのではなくて必ず痛みの専門家にしっかり診てもらうようにしてください。

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