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2/13(水)NHK「ガッテン」首こりの原因である後頭下筋の鍼(はり) | 銭田良博ブログ

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『2/13(水)NHK「ガッテン」首こりの原因である後頭下筋群に対する鍼(はり)治療と鍼(はり)の安全性について』

(ブログの内容)
・後頭下筋と経穴の位置の関係と禁鍼穴の考え方
・後頭下筋のエコーでの位置
・血管と神経および周囲の膜Fascia(ファシア)の構造
・注射針の針先と鍼灸の鍼(はり)先
・後頭下筋群周囲の神経について
・後頭下筋群に対する鍼(はり)治療

 

・後頭下筋と経穴の位置の関係と禁鍼穴の考え方

後頭下筋群のある部位は、東洋医学での経穴で表現すると風府(GV16)・完骨(GB12)・天柱(BL10)・風池(GB20)の位置です。

 

この部位は「禁鍼穴」と言われていたのですが、その理由は眼や脊髄に鍼(はり)が届くことを恐れてのことです。

 

・後頭下筋のエコーでの位置

今回のエコー画像でわかるように、深さを守って鍼(はり)治療を行えば、どちらにも届くことは絶対にありません。

次に、血管や神経を刺激することにより、出血やしびれが出現することがあるかどうか?が重要な視点です。

私がエコーを活用するのは、血管や神経を確認してそこを避ける、もしくは血管や神経のぎりぎりのところに痛みの原因があると触診にて判断した場合はゆっくりとそして寸止めで鍼(はり)治療を行うためです。

 

・血管と神経および周囲の膜Fascia(ファシア)の構造

実際、鍼(はり)先が血管や神経に刺さった場合ですが、血管および神経も膜(Fascia;ファシア)で覆われており、血管や神経の実質に触れるまでには何層にも鍼(はり)先が貫いて初めて血管および神経を刺激することになります(下図参照:坂井建雄/松村讓兒監訳:プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 2011.引用)。

 

・注射針の針先と鍼灸の鍼(はり)先

医師や看護師が注射で使用する針は、針先が鋭利に尖っています。

それは、血管内から血液を抜く、神経に薬剤を入れて感覚をブロック(麻痺)する目的で、そのような構造になっています。

血液を抜いたり神経をブロックした後も、その患者様はそれなりの処置をした後には普通に生活をしていますので、100歩譲って仮に鍼(はり)先が血管や神経に当たったとしても、本当のことを言えば心配ありません。

加えて、鍼(はり)の先端は注射用針と違って丸くなっています(下図参照:セイリン社ホームページより引用)。

それは、そもそも血管や神経に鍼(はり)を刺すのが目的ではないため鍼(はり)先が丸くなっていることと、血管や神経の周囲も構造上、外部からの刺激に対して滑って逃げるようにできています。

そのことを鍼灸師が、患者様にはもちろんのこと、医師・理学療法士・看護師などの医療従事者にも丁寧に順序立てて説明することが、とても大切であると私は考えています。

 

・後頭下筋群周囲の神経について

後頭下筋に対する鍼治療を行う際に注意すべき血管および神経は、大後頭神経と後頭下神経です。

後頭下筋の周囲には大きな血管は存在しませんので、大後頭神経と後頭下神経の位置を注意して鍼(はり)刺激を行う必要がございます

(下図参照:河上敬介著 骨格筋の形と触察法 改訂第2版 大峰閣 2013.4.より引用)。

 

・後頭下筋群に対する鍼(はり)治療

血管や神経の周りが癒着が強くて硬くなっている場合は、触診により圧痛所見も出現しFascia(ファシア)の発痛源となっていることがあり、それが禁鍼穴に存在することも報告されています。

その部位は、血管や神経が鍼(はり)先から逃げない状態になっている可能性も考えられますので、そのためにもエコーで精確に確認しながら鍼(はり)治療を行うことがとても大切であると考えます。

後頭下筋群に対して直接鍼(はり)治療をしたい場合は、大後頭直筋の上を走行する大後頭神経、大後頭直筋と上頭斜筋の間を走行する後頭下神経をエコーで確認し、その部位と深さを触診にて充分に避けるようにしながら鍼(はり)治療を行います。

大後頭神経痛が原因と思われるような、片側性の後頭部から上方へ放散する頭痛と思われた場合は、大後頭神経が筋を通過する部位を触診した場合に(頭半棘筋で表層です)、圧痛所見、触診部位の硬さの健患差、頭痛症状の増強が出現しますので、その部位に精確に鍼(はり)刺激を寸止めを目指して行います。

私は、ここに鍼(はり)治療をしたい場合は、エコーで精確に大後頭神経が貫通する部位を必ず確認してから行います。

6 Replies to “2/13(水)NHK「ガッテン」首こりの原因である後頭下筋の鍼(はり)”

  1. 大後頭神経に針先があたっても問題は生じませんよ。以前、内科のお医者さんの首の治療をしていた時に、鍼が大後頭神経にあたって後頭部から側頭部に刺激が走ったので、「大後頭神経に当りましたね。別に害はないですからご心配なく」と言ったら「ああ、いまのは大後頭神経だねぇ。なるほどあんなふうに分布しているんだねぇ。生きた勉強になるね。」と言っていました。ペインクリニックでは神経そのものに注射することもあるんですから、あまり過剰に心配することはないです。当たったら、すぐに抜いて刺入ポイントを変えたら良いですよ。

    1. 北林達也先生
      コメントおよび貴重な情報提供、誠にありがとうございます。
      神経に鍼(はり)先があたっても大丈夫とのこと、当たっても鍼(はり)先をすぐに変えれば良いとのこと、安心します。
      今後とも引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
      銭田

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